
最終的に糖尿病に至ることになる、”常時高血糖な状態”というのは
簡潔に説明すれば、「血糖値の(急激な)上昇が多い生活」によって招かれます。
インスリンの出動・疲弊が頻繁になることで、インスリンの機能不全が起きてしまうのです。
そういった状況を回避するためには、血糖値を上げすぎない生活を意識することが必要であり
これは「食事療法」と呼ばれる、糖尿病の初期段階における治療法でもあります。
食事内容の改善を考えた際には、血糖値が上がりにくい食材・メニューを意識することとなります。
その食材が持つ”血糖値を上げる力”というのは、その食材が含むエネルギー(糖分の割合)と
その<調理法>といった要素が、大きく影響を与えます。
当然「甘いもの」や「消化にいいもの」は、血糖値が上がりやすい条件を持っていることになります。
それ以上に大切なことは、”よく噛む”といった心がけや
前もって体を準備しておくこと、「血糖値が上がりづらい体」を作っておくことも大切です。
血糖値をコントロールしやすい状態を保つ
「血糖値が上がりやすい体質」というのは、残念ながら存在します。
糖尿病は遺伝する、とよく言われますが
結局は体質が遺伝することで、「血糖値の上がりやすさ」が遺伝するためです。
ただし、ブドウ糖というのは活動するうえで必要不可欠であり
上げないことよりも、<コントロール>することが重要なのです。
この血糖値のコントロールは、言うまでもなくインスリンの最大の仕事であり
その働きを活発にしておくことに加え、分泌・機能を助けてあげることが必要になります。
その鍵を握るものが
- 新陳代謝の向上
- 血糖値の上昇の抑制
以上の2つの要素になります。
基礎代謝の底上げ
インスリンとは「代謝物質」であり、体全体の代謝能力が大きく影響することになります。
- 便秘の解消
- 運動習慣
- 十分な水分
体の吸収・排出能力を正常にしておくことこそが
自分の体が持つ、本来の力を引き出すことのベースとなります。
運動による脂肪の燃焼はインスリンの分泌を加速させ、肝臓を中心として体内に蓄積されている
「中性脂肪」や、「グリコーゲン(ブドウ糖の集合体)」を解消することにつながります。
「余計な燃やす必要があるもの」が少なくなることで、エネルギーの消費効率が向上するのです。
これは<肥満解消こそが最高の血糖値対策>と呼ばれる所以でもあります。
基礎的なリスクを下げる
インスリン環境を破壊することが、糖尿病を招く最大要因であれば
最も効果的な対策は、血糖値そのものを上昇させないことです。
最も単純なアプローチとしては、「断食」を挙げることができますが
生きていくうえで、最低限のブドウ糖が欠かすことができません。
そのため、定期的(通常1日2,3回)に行う食事ごとの血糖値の上昇を
可能な限り減らす意識が必要であり、そこで鍵となる要素が「GI値」になります。
血糖値に不安ある人が必ず意識すべき「GI値」
GI値は血糖値が高い方や、糖尿病患者が食事をする際に意識すべき数字です。
GI値とは正確には「グリセミック指数」と呼び、「食品(食材)が持つ血糖値を上げる力」です。
数字が高いほど、短時間に・高く上昇することになり
血糖値に不安のある人は、出来るだけ避けたい・避けるべきものになります。
GI値が低い食材・メニューを摂取することで、血糖値の過剰な上昇・ブドウ糖の脂肪への変換を防ぎ
中性脂肪の燃焼を促進する減量法は「低インシュリイエット」とも呼ばれ、一時期ブームとなりました。
こういったコンセプトの食生活は、血糖値に問題を抱えた人にこそ
推奨されるものであることは、言うまでもありません。
そもそもの、GI値が高いことの最も大きなデメリットは
「余計なブドウ糖」による、「余計な脂肪」の生成になります。
これは「カロリーの過剰摂取」による、中性脂肪の増加とは異なり
また”カロリーが高い”ことと”GI値が高い”ことは、必ずしも一致しません。
「GI値」が高い食材の特徴
GI値が高い食品は、基本的に「主食」として食されていることが特徴的です。
食料が安定的に収穫できないことも多かった時代における、先祖の知恵でもあり
「少ない量であっても、活動することができる」という長所もあります。
- 白米
- うどん・そうめん
- ジャガイモ(芋類)
- 色のついた野菜
- 加工食品全般
意外性はそれほどないかもしれません。
「典型的な炭水化物」や、「おなかが膨れやすいもの」が該当することになります。
意外にも「肉」や「魚」はGI値が低く、
おかずよりも主食の方がリスクが高いことが分かります。
また、「加工食品全般」としましたが
”少しでも手を加えた食材”はGI値が上昇する傾向があります。
「新鮮な果物」に対し、「ジュース・ジャム」が顕著な例と言えます。
「GI値」が低い食材の特徴
「手を加えられていない」天然の食材は、
「手を加えられた後」よりも、基本的にGI値が低いです。
生成されていない「玄米」の方が、
すでに「精製」されている「白米」よりもGI値は低くなります。
- 玄米
- ライ麦パン
- そば・パスタ
- 緑色の(色が薄い)野菜
- キノコ類
- 肉・魚類
典型的な「ダイエット食」が中心であり、”天然”のものであれば
たとえ「カロリー」が高いとしても、GI値が低い傾向があります。
似ているようでGI値が大きく異なる食材も
「米」の例と同じく、同じ種類の食品であってもGI値が大きく異なることがあります。
- 「白米」よりも「玄米」
- 「食パン」よりも「ライ麦パン」
- 「うどん」よりも「そば」
その中で、工夫していく必要があります。
より細かく意識していくことが大切
冒頭でも述べましたが、GI値が低い食生活を心がけることで
”ブドウ糖の中性脂肪化”を抑え”中性脂肪の分解”が進み、結果的に減量につながることになります。
”血糖値の上昇”と、”余計な脂肪”という
両方のリスクを抑えるため、ぜひ意識して進めていきたい食生活です。
キーワードは「素材そのまま」であり、できることであれば”塩・胡椒”も避けるべきです。
たとえ「低GI」の食品だとしても、大量に摂取すれば意味はなく”摂取量”に関しても注意が必要です。